Kalmia*歳時記

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ダイビングの事故&その後

格安体験ダイビング!で実際にあった事故の体験談

2019/05/14

10月23日は私の幼馴染である親友Rの命日。
なんとも納得のいかない体験ダイビングでの事故でした。

当時まで遡ります・・・

私がダイビングのCカードを取得する前の事なのですが、
私と友達のRは11月に海外旅行の計画を立てていて、
バリ島でシュノーケリング&体験ダイビングをする予定でした。

シュノーケリングもダイビングも初めてで全く使い方が分からなく
いきなり海外で体験ダイビングってのも少し不安があったので
友達Rと私は地元のダイビングショップで一度練習して使い方等備えようと
地元のダイビングショップを探しました。

まずは近所のAショップでシュノーケリング講習

そのショップ(仮にAショップ:イニシャルではありません)では
マスク、シュノーケル、フィン購入した人限定で
シュノーケリング&スキンダイビング講習をやっているとの事なので早速購入し申し込み、
後日、シュノーケリング講習が始まりました(プールでの講習)

準備体操から始まり、基本的なマスクの付け方、シュノーケルの銜え方、
マスククリア、シュノーケルクリア、フィンキック等練習し、
順番にプールの中をシュノーケリングしていきます。
AショップのインストラクターKさんは 上達する為の
ちょっとしたコツをアドバイスしてくれたり
とても丁寧で親切なインストラクター。
友達Rと私はバリ島旅行の計画を話していたので
簡単なスキンダイビング、耳抜きまで教えてくれました。

体験ダイビングもこのAショップでお願いしたいと思い、
講習も終わり、ショップオーナーの奥さんがフロントにいたので
体験ダイビングを申し込もうとしたら、
あとはオープンウォーター講習の申し込みになるから体験ダイビングはできないと。

体験ダイビングができないのなら仕方がない…
バリ島へ行く前に体験ダイビングはしたいから、
他ショップを探そうと友達Rと別なショップを探すことにしました。

格安体験ダイビング!のBショップ

友達RがどこからかBショップのそんな情報を仕入れてきた。
まだそれほどインターネットが今ほど普及されていない時だったので
調べようもなく行き当たりばったり
取りあえず話を聞きにBショップへ行きました。

最初はプールでの体験ダイビングを希望したのですが、
ショップスタッフに「海の方が魚もいて楽しいよ」と言われ 迷ったあげく
実際、本番(バリ島)での体験ダイビングは海なわけだし、海洋ダイブで
体験ダイビングに参加する事にしました。

ダイビングは以前から凄く興味があったのですが、
でも その反面 初めて経験する事なので、
かなり不安もあり 緊張もしてた。
でもインストラクターがついているから大丈夫!何の心配もない!と
自分に言い聞かせ、初のダイビングに挑む事にしたのでした。

10月15日 体験ダイビング当日

体験者は3人で、私と友達の他にもう1人(仮にAさん)
それと講習生が10名程と一緒にショップのバスで海へと向かいました。

2時間程で港へ到着。
私達の体験組は講習生の支度が終わってボートが出発した後でゆっくりと始まりました。
体験組はドライスーツと器材を選び インストラクターの指示のもとで
各自タンクに器材を取り付けていきました。
それから、簡単な説明が始まりました。
(レギュレーター[空気吸うヤツ]のくわえ方、
耳抜きをする、呼吸を止めてはいけない・・程度)
※体験者3人に対しインストラクター(男性)が1人でした。

それから、私達体験者3人とインストラクターはボートに乗り込み
数Km沖にあるダイビングポイントに到着。
そして、送迎のボートは帰って行きました。

体験ダイビング開始

体験者1人とインストラクターが1対1で潜る事になり、
体験者3人はジャンケンで順番を決めました。
順番は1番目Aさん、2番目友達R 3番目が私。
そしてインストラクターの指示で最初に潜るAさんに私と友達Rが器材を背負わせ装着させ
そしてAさんはインストラクターのもとへ行き、一緒に潜って行きました。
その間、友達Rと私は岩場で待機です。

こんな感じで潜りました。

潜っている時間は10分程度。
インストラクターとAさんが浮上すると、Aさんだけ岩場まで上がって来て
待機していた友達Rと私はAさんの器材を降ろし、
そして2番目に潜る友達Rの器材をAさんと私が装着します。
その間インストラクターは海の中で、その様子を見ているだけ。

そして3番目

いよいよ私の番

器材が装着されインストラクターのところまで行き、そして潜行・・・のはずが、
私のドライスーツの中の空気はなかなか出きらなく浮力が強い為、全然潜行出来ません!!
それもそのはず、私のドライスーツは品不足の為、
180cmの紳士用を着せられていました。因みに私は160cm
そうこうしている内に私の身体は真横になって、なかなか潜行出来ないもんだから
インストラクターは私をいきなり上から押しつけて沈めました。
すると耳に水が入って来るし、、マスクに水が入ってくるはで、
私はパニックです!恐怖心MAX(@_@;)

そんなこんなで心臓がバクバクしながらも、海中に入って間もなく
マスクはくもってしまい、全く何も見えなくなってしまった。
マスククリアは教えられていなく、
鼻で息を吐いたらくもるよ、としか聞いていませんでした。
(Aショップのシュノーケリング講習ではマスククリアは習いましたが、
もう怖くてマスクに水を入れられない!)

私の体験ダイビングも終わり

インストラクターは岩場にいる2人に
器材を着けてフロートまで来るようにとインストラクターが指示していました。
待機していた2人は互いに器材を背負い装着しているのですが、モタモタしていたようで、
インストラクターは「時間が押してるのに」と
ちょっとイラっとしながら岩場の2人の所へ行ったのを覚えています。

私は一番最後だったので、
そのまま私はタイヤチューブでできた浮き輪のようなフロートを掴まったまま、
他の2人が来るのを待っていました。

私のマスクはくもったまま・・・
マスクに水を入れてくもりをとろうとも思ったけど、
フロートから手を離すのが怖かったので、
海から上がるまで我慢してようと、くもったままにしていました。
この時は本当に早く海から上がりたくて どうしようもなかった。

それから岩場で器材を装着した2人が来てフロートに掴まり、
インストラクターは海中に潜ってフロートから出ているロープを引っ張って、
私達3人を連れ、50m程先にあるボートへと向かいました。

行方不明

進みだして2~3分位してからだと思います。
フロートの真ん中に掴まっていたAさんが「1人来てない!」と!
えっ・・!?・・まさか!

そして、インストラクターが持っているロープを引っ張り、
それに気づいて浮上して来たインストラクターに1人付いて来ていない事を知らせました。
私は慌てて くもっていたマスクに水を入れ、
クリアにして辺りを見渡してみましたが、友達Rの姿がありません。
迎えのボートまでは近かったので、私とAさんは直ぐにボートに上げられ、
インストラクターは直ぐに友達のRを探しに行き、
近くで潜っていた他のショップのダイバーと
インストラクターも異変に気づき、一緒に探してくれました。

発見されました

それから何分経ったでしょう・・・よく覚えていませんが、友達Rが発見されました。
遠くに見える救助のボートに乗せられた友達Rはレギュレーター(空気吸うヤツ)は
口から外れ、意識はありませんでした。

Rちゃんが海から上げられた時には既に心肺停止状態で、
ボートが港に着きRちゃんはボートから降ろされ、
救急車が来るまで ずっとその間、心臓マッサージと人工呼吸がされていました。

やっと来た救急車にRちゃんは乗せられ
担当のインストラクターと私も一緒に乗り込み、病院へ向かいました。
到着後、友達は処置室へと運び込れ、処置されていました。

それから数分後に友達は集中治療室へ移され
友達の様子は・・再び心臓が動き始めましたが、
呼吸は自発的ではなく人工呼吸器で意識は戻らず・・。

その後

警察官が数人来て事情聴取

私は経緯を話すのですが、気が動転していて自分でも何が何だか分らない状態。
一通り話し終えると、また別な警察官がやってきて、一部始終、最初から同じ事を聞かれる。
そんな感じで警察官の入れ替わり立ち替わりの事情聴取で私は何度同じ話をしただろうか。

そしてある警察官には「どうして居なくなったのに気がつかなかったの?」と聞かれ
私「・・Aさんが間に居たので
・・それにマスクがくもっていたので全く気がつきませんでした」

なんだか、自分の罪を少しでも軽くしようとする言い訳のようで凄く嫌だった。

そんなこんなしている中で

友達Rのご両親が病院へ到着

Rちゃんはご両親にダイビングの事も海外旅行の事も、
まだ何も話していなかったようで、Rちゃんのご両親は寝耳に水って感じでした。
警察官から事情を聞かされた後 友達のご両親は放心状態・・・。

その時、自分の両親と重なった。
もしかしたら、集中治療室に運ばれていたのは私で、ここに立っていたのは
私の両親だったのかもしれない・・・。

友達を犠牲にして私が助かったのかなぁ?という罪悪感と
私がもう少し気をつけて友達を見ていれば・・・
もし、海洋ではなく、プールでの希望を押し通していれば・・という後悔
もしかすると、この事故は自分だったのかもしれない・・という恐怖感
色んな考えが入り交ざって、とても居た堪れない気持ちでした。

そんな中、只々、助かって!と祈るばかりでした。

事情聴取も終わり帰宅

家に帰り両親に事故の事を話しました。
すると、母にしがみつかれて泣かれてしまった・・・。
その日の夜は母が一緒に寝たいと言って、
私の部屋に布団を持って来て敷いて何年振りかで一緒に寝た。
・・と言っても私は全然眠れたもんではなかったけど。
しかし、両親には凄く心配をかけてしまったなぁ・・とつくづく思った。

それから、毎日友達が入院している病院へお見舞いに行き、毎日祈る思いでしたが、
とうとう、事故から一週間後に
Rちゃんは息をひきとってしまった。多臓器不全との事でした。

これまで、ダイビングの事故って耳にはしていたけど

正直、人ごとだと思ってた。自分、身近には関係の無い事だと思っていた。
それに体験ダイビングだし、インストラクターが付いるから大丈夫、
誰かが見てるから安心!って思っていた。

他の友達が言うには体験ダイビングでこんな事、普通有り得ない、
って言ってたが、実際には起きてしまった。
まさか、こんな事が身近で起るなんて。
Rちゃんが亡くなってしまうなんて。

そして人の命って、なんて儚いんだろうって思った。
Rちゃん、あんなに元気に話して笑っていたのに。
ものの数分で 行方不明になり、意識を無くしてしまうなんて・・・

 

その後、私は最初にシュノーケリング講習でお世話になった
AショップでダイビングのCカードを取得し、ダイビングを始め
今現在の私は事故のことからは克服しているのですが、
でも、未だに大切な人を失う事・・急に居なくなってしまったら・・って考えると
不安で不安でたまらなくなる時が多々あります。

続きます↓


この件からダイビングに限らずだけど、被害も加害も誰にでも起こりうる事だし
数分先はどうなるか、何が起きるか分らないって事なんだよなぁ・・
って漠然と考えてしまいます。

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