Kalmia*歳時記

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歯科医院のお話& 裏話【Dr.&スタッフ編】

元職場、歯科医院での衛生面*ずさんな歯医者と堅実な歯医者

2021/06/03

当ブログは実際にあった出来事を書いていますが、
記事内に登場する人物、歯科医院の名称等はあくまで仮名であり
実在する名称とは一切関係ありません。

今まで何軒か勤めてきた歯科医院での衛生面の話。

以前、友達に「歯医者で働いている人達がしているグローブ
(使い捨ての医療用ゴム手袋)ってキレイなの?」って聞かれた事がありました。
これには正直、返答に困りました。それは歯科医院によって色々ですから…。

Y歯科医院にいた時はグローブ着用の意味って 院内感染防止の為、
医療従事者と患者の両方を守る為だと教えられました。
が、自分(従事者)の身しか守ってないんじゃない?という
歯科医院によっては ずさんな管理で衛生面が損われている歯科医院も無きにしも非ず。
衛生管理を指導する者が、しっかり指導をしているか していないかで違ってくるよなぁ、と
数軒の歯科医院で働いてきて、そう思ったのでした。

「衛生士が居る所は衛生管理がちゃんとしていて、
助手だけだと知識がないから ずさんだ」とも聞いた事がありましたが、
実際、そうとは限らない歯科医院があったのも確かです。

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衛生管理も その歯科医院によって様々

私が初めて勤めたのはST歯科医院。(スタッフは助手だけ)

ここは先生が衛生面に関してはとても厳しく、
当初 私は先生からも先輩スタッフからも細かく指導されました。

手洗い

まずは手洗い。「手洗いは基本だ!」と。
専用のブラシ、専用のハンドソープで(確か1分間近く)
ヒジの下辺りまでゴシゴシしてました。(先生、スタッフも皆)
その後、消毒液に洗った手を浸していました。
外から診察室に入って来た時、トイレから戻ってきた時は
1分間 ブラシでの手洗い+手の消毒で、
診察室内に居る時は専用ハンドソープで(ブラシは使わず)
20~30秒の手洗い+消毒でした。(手洗い手順も細かかった。)

綺麗な手で扱う

洗って消毒した手は汚す事なく患者さんへ もって行かなければなりません。
患者さんの口へは勿論の事、滅菌、消毒されているもの、セメントを練るにも、
型を採る材料を練るにもキレイな手で扱わなければなりません。
(手を洗い消毒した後はどこも触れられないって事です)
しかし、最初の頃って慣れていないせいか、手洗い&消毒した後
無意識に白衣とかを触ってしまい、先生or他のスタッフに
「ハイ、手洗い やり直し~」って言われるわけです。
ここの歯科医院はグローブの着用はされていなく素手でのお仕事でした。
(従事者が手指に傷等がある場合は専用のテープみたいなのを張り、指サックはしていた)

グローブ

今だと、だいたいの歯科医院ではグローブをしていると思いますが、
この頃は グローブを着用している歯科医院が まだそれ程多くなかったような…。
(私がいる地域しか知りませんが)
当時、それが普通だと思っていて 特に気にはしていませんでした。

その翌年だったか、先生がHIV感染の話をし始めた事がありました。
感染者は報告されている数より、実際はその倍程は いて、年々増えて来ているし、
中には病気にかかっている事に気がついていない人達も居るだろう。
しかも、こちら側(医療従事者)は患者から「病気です」って
報告されない限り分からない事だし、
来る者拒まず…の職業なだけに怖い部分があると。
その後、ST歯科医院ではグローブの着用をする事になりました。

その後に勤めたのはY歯科医院 (スタッフは衛生士と助手)

ここはグローブ着用が義務付けられていました。
そして院内感染の怖さも教わりました。

ここでは患者さんが替わるごと、患者さんから患者さんへ移る度に
その都度 新しいグローブに替えていました。
私が数軒勤めてきた中で、ここまで頻繁に
新しいグローブに替える歯科医院はY歯科だけでした。

グローブ着用していても清潔を保つ

勿論、Y歯科も新しいグローブに替えた後は無闇に辺りを触る事は出来ません。
滅菌、消毒してあるものに触る時もST歯科医院と同じ感じに小うるさく指導されていましたし
それと、感染症の病気をもっている患者さんの扱い、消毒も徹底していて
ここも衛生面では とても厳しい方だったと思います。

毎年、スタッフ全員に肝炎の予防接種を受けさせたりと、
先生は そういった面では凄く気を使っていました。
(予防接種を受けさせていたのは 今まで勤めてきた中でY歯科医院だけでした)

衛生面が、ずさんな歯科医院

その後に勤めた幾つかの歯科医院の多くはグローブを義務付けていましたが、
患者さんが替わる度にグローブは替えていなく、
グローブをつけたまま手(グローブ)洗いしていて、
破れるまで着用していた所が多かったです(経費節減の為かと思われます)
まぁ、清潔を保っていれば問題ないとは思うのですが・・。

清潔を保つ意識

そして、その手(グローブ)の消毒はなし。
先生は「ちゃんと洗っていれば、問題ない。
穴が開いていない限り 何度でも使っても大丈夫。」と言っていました。

しかし、手(グローブ)洗い後 無闇に辺りを触られない、
キレイな手のままで扱う、という意識は薄く
手(グローブ)洗い後、あちこちベタベタと触ったりと、
ST歯科、Y歯科に比べれば衛生面は甘い、と感じましたが
「これが、ここでのやり方だから。」と言われたら、従うしか…。

でも限度はありますけどね。

5秒ルール歯科

これはC歯科医院に居た時の話。(スタッフは助手のみ・・・以前は衛生士も居たとか)
そこは各ユニット(診察台)にモニターが付いていてDVDが見られるようになっていたりと、
他、最新の設備も揃っていて、それが とてもご自慢な先生。

「これを持っているのは この県でうちを含めて3軒しかない」が口癖。
(それが悪いと言っているわけではありません)
が、しかし、ここは衛生面に関しては今ままで勤めてきた中で一番最悪。

先生が銀歯(クラウン)の調整中に銀歯を落とし先生の手で拾い上げ
その銀歯、手を洗いもせず その後 私に何を言ったかというと
「5秒ルール知ってる?^^」って。

そして結局、手も銀歯も洗わず患者さんの口へ。・・信じられん(-"-)

そんな先生のもとで働くスタッフもスタッフ

頻繁に手(グローブ)を洗いません。
基本セット(ミラー、ピンセットetc..)の滅菌は何度も同じ滅菌バッグを使い回し
何度も滅菌しているので色は変色して、所々焦げている部分も。

患者さんに「これ(基本セット)キレイなの?」と聞かれ、
スタッフ「ちゃんと滅菌、消毒してます!」とキレてるし。でも汚れた手で触っているし。

それに滅菌したガーゼ、ワッテ(綿)を補充するにも、手を洗わない。
やはりスタッフも落ちたものを拾い、床を触った手でそのままアシストについているし。

清潔区域って無いんじゃない?って感じのC歯科医院。
もぅ、そういうのが目について仕方がありませんでした。

やはり経費節減か

ある時、何の話からかグローブの話になりました。
先生が私に「本当はグローブって その都度替えないと意味がないんだよね~。
でも、その様にしている所(歯科医院)は滅多にない。
かるみあさんが前に居た所はどうだった?」と。

私「前に居た所は その都度、新しいグローブに替えていましたよ~。」
先生「え~、本当?じゃぁ、1日に捨てたグローブってかなりの量になったでしょ?」
私「た、確かに かなりの量でしたけど^^;」

他スタッフ「そんなの、資源と経費の無駄じゃないですかぁ!」
ここのスタッフ達は他歯科で働いた事が無くC歯科が初。まさに井の中の蛙状態。

グローブを毎回替えないのは いいとしても(清潔であれば)
このC歯科医院にいると、自分も そのうち こんなスタッフになっていくのかと、思ったら、
今まで苦労して積み上げてきた物が全て無駄になってしまうような気がして…
そう考えた時点で長居は無用!さっさと辞めました。

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グローブをしている≠清潔

ちょっと余談。

食品を扱うお店も食中毒を出したら大変だから医療機関と同様、しっかりとした衛生管理は指導されていると思うのですが、最近では「素手で食品を扱うのは抵抗がある」とかで 食品を扱うお店(店によりますが)、やTV番組、動画でもグローブをしているのを多くみかけます。
ですが、よく見ているとグローブをしたまま他の物(食品以外)を触ったり、ミトン(鍋つかみ)に手を入れたり、酷いところではレジでお金を触ったり、床を触ったり(落したものを拾う)…そして そのまま食品を触る、というのもしばしば見かけます。
‘グローブをしているから清潔’という変な安心感アピール。
不潔グローブより、頻繁に手洗いしている素手の方がよっぽど良いと思うのは私だけだろうか…。

医療機関の場合は不治ウィルスの感染の恐れがあるのでグローブは必須ですが。

ケチケチ歯科

お次はN歯科医院での事(スタッフは衛生士1人、助手3人&先生の奥さんは衛生士)
ここの歯科医院は私が働いてきた中でも超ケチケチ歯科でした。

使いまわし

患者さんの治療が終わってユニット(診察台)の片付けをして消毒をする時も
消毒の綿を何度も使い回すし、根充剤(歯の根の中を詰める時に使う薬)
も その都度 作らないで他の患者さんへも使い回していました。

薬が固まると…それは薬の液を足して軟らかくして使い、
一体これで何人目?ってくらいまで使っていました。
(その薬には一度、ガッタパーチャを歯の根の中に入れてから根充剤を付けるので、
その患者さんの歯にもし仮に まだバイ菌が残っていたら、他の患者さんにうつっちゃいます)

セメントを練るのも、練板紙(セメントを練る紙の台)の1/4のスペースづつ練るようにして、
一枚の紙で4回使うようにと。(他歯科では一枚1回でした)
しかし、練るスペースが狭いので、ちゃんと混ざらないし…

グローブせず

それに ここの歯科医院では先生もスタッフも皆、グローブをしていませんでした。
ST歯科医院ではグローブをしないで お仕事をしていたのですが
Y歯科以降はグローブ着用での仕事が7年間(感染の怖さも教えられ)
グローブを着用しないでの仕事が出来るかなぁ…と、とても悩みました。

来るもの拒まずのこの職業

やはり このご時世 色んな病気(感染症の)を持っている方が増えています。
自身知らないでかかっている方も、かかっていても報告しない患者さんもいる訳で。

分かっていても差別されるのが嫌で中には報告しないって患者さんもいましたし。
色んな人を扱うこの職業、やはりグローブ無しで仕事が出来ない。

話合い

悩んだあげく、初出勤から2日後、
お昼休みに入る前に院長室へ行って先生&奥さんと話ました。

私「今まで勤めていた所ではグローブをして仕事をしていたので、
これから素手で仕事をする事に、正直かなり抵抗があります…」
と、まだ話終わらないうちに
先生が「グローブはあるから、かるみあさんだけグローブをする事を認めるよ」と。

私「え?私だけというのは 後々スタッフ間で揉めたりしないでしょうか?」
何で私だけなんだ・・

おかしな言い訳

先生「グローブはね以前、患者からクレームが来たんだよね。
オレの口はそんなに汚いのか!って。

それにスタッフにグローブをさせると手を洗わなくなるんだよね。
それからグローブをしなくなったんだ。

それとね、かるみあさん…あなたの考え方は間違えてるよ。
グローブをするって事より、これは自己管理の問題なんだ。
手に傷をつけないように自分で気をつけなきゃならないんだよ。」

と、言う先生の右手の親指の付け根には最近出来た様な傷跡があるのを私は知っていた。
…先生、説得力ありません(-゛-;)

手に傷があるのに先生はグローブもしないで
抜歯をしていたので、実はとても気になっていた。

私「でも、やはり、このご時世、色んな病気(感染症)を持っている人、
それに気づかず かかっている人が増えてきてる、って言われてますよね。
色んな人を扱う仕事なので、素手での仕事は正直 怖いです。
やはり、今後 働いていくうえでストレスになっていくと思うので辞めさせてください。」

先生「そうかぁ。ストレスになるのなら仕方がないね。分かりました。
あっ、それと、このグローブの件は他のスタッフには言わないでおいて」と。
・・言われて困る事をしているというわけだ。

先生の説明&指導義務

先生は患者、スタッフの身の安全の事は考えているのだろうか。

スタッフにグローブを着用させると手を洗わなくなるのなら、
それを厳しく指導するのが先生だと思うのですが。
患者さんから「オレの口は汚いのか?」と言われたのなら、
ちゃんと患者さんが納得するように説明するのは先生の仕事でしょうが。

もうちょっと患者さん、スタッフの身の事も考えて欲しいと思ったのでした。
衛生管理を指導する者が、しっかりとした指導をしてもらいたいものです。

グローブ着用の意味はこちらのサイトで説明がされています。
※ 因みにこのサイトは私が勤めた歯科医院とは関係ありません。

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